「そろそろ良い包丁が欲しいけれど、種類が多すぎて何を選べばいいかわからない」「本格的な包丁は手入れが大変そうで、錆びさせてしまわないか不安」——そんな気持ちで、結局手頃な包丁で妥協していませんか?

料理を始めたばかりの方や、初めて本格的な包丁を買う方にこそ、自信を持っておすすめしたい素材があります。それが「V金1号(VG1)」という鋼材を使った三徳包丁です。

「ステンレスは切れない」の常識を覆した鋼材

かつて包丁の世界では、「よく切れるけれど錆びる炭素鋼(ハガネ)」か「錆びないけれど切れ味が落ちるステンレス」の二択しかありませんでした。その常識を打ち破ったのが、武生特殊鋼材が開発したV金1号です。

V金1号が優れている理由は3つあります。まず、炭素含有量を約1.0%まで高めることで、プロが使う炭素鋼に匹敵する硬度を実現しています。次に、クロームを約14%含ませることで、ステンレスとしての耐食性を維持しています。そして、モリブデンを添加することで衝撃に強く刃が欠けにくい「粘り」を持たせており、初心者でも安心して扱えます。

「切れ味」と「手入れのしやすさ」を最高のバランスで両立させた、ステンレス刃物鋼の元祖といえる存在です。

V金1号鋼材の刃先
V金1号──ステンレスの常識を覆した刃物鋼。

初心者に優しい「DPゴールド(割り込み)」構造

V金1号の包丁の多くは、「DPゴールド」と呼ばれる3層構造で作られています。

芯材(真ん中の層)にはV金1号を使い、鋭い切れ味と長切れを担います。外側の側材には軟質ステンレスを使い、包丁全体をしなやかにして錆びにくさと研ぎやすさを高めています。DP処理とは、異なる金属を重ねる際に芯材の硬度が落ちるのを防ぐ特殊な工法のことです。

この構造のおかげで「芯は硬くて鋭いのに、全体としては研ぎやすい」という、初心者にとって理想的な包丁に仕上がっています。

DPゴールド三層構造の断面イメージ
DPゴールドの三層構造──芯のV金1号を軟質ステンレスが包み込む。

三徳包丁は家庭料理の頼れる相棒

三徳包丁は、その名の通り「肉・魚・野菜」の三つの食材に万能に使える包丁です。日本の家庭で最も一般的な形で、刃渡りも取り回しやすく、これ一本あれば日々の料理のほとんどをスムーズにこなせます。

市蔵本舗では、V金1号(DPゴールド)を使用した播州産の三徳包丁(刃渡り165mm)を取り扱っています。

「ステンレスは研ぎにくい」という誤解

よく「ステンレス包丁は滑って研ぎにくい」と言われますが、V金1号はV金10号など後発の鋼材と比べて砥石への食いつきが良く、研ぎの手応えがわかりやすいのが特徴です。研磨力の高いセラミック砥石を組み合わせれば、初心者でも驚くほど簡単に鋭い刃をつけることができます。

砥石を一つだけ選ぶなら、中砥石の「1500番」がベストです。これだけで日常のメンテナンスは十分にこなせます。さらに切れ味にこだわりたい方には、仕上げ砥石(5000番)を加えたセットもおすすめです。

砥石で包丁を研ぐ様子
砥石との相性が良いV金1号──初心者でも研ぎの手応えを感じやすい。

自分で研ぐことで、包丁は「一生モノ」になる

包丁を自分で研げるようになると、料理の楽しさは何倍にも膨らみます。V金1号は、研ぎの手応えが感じやすく、研ぎの楽しさを教えてくれる最高の素材でもあります。

良い道具を選び、自分で手入れをする。そんな豊かな料理生活を、V金1号の三徳包丁から始めてみませんか。