市蔵本舗からお届けした肥後守(Higonokami)を、クロアチア・イストリア地方の料理人、Outlaw Chef Damjan Bistričić(ダミヤン・ビストリチッチ)さんが受け取り、記事として紹介してくださいました。

一本のナイフが、一皿になるまで

Damjanさんは届いた肥後守への感謝として、「このナイフで一皿を作る」と約束し、実際に料理にして言葉と写真で残してくれました。

その一皿は、"Rižoto od divljeg radića"(野生のラディッチオのリゾット)

雨の降る日にレインコートを羽織り、海辺の小さな港の近くで野生のラディッチオ(divlji radić)を摘み、日本の刃で丁寧に下ごしらえをして作る——その情景が、静かに、でも強く伝わってきました。

肥後守で野生のラディッチオを下ごしらえする様子
雨のイストリアで、日本の刃が野生のラディッチオと出会う。

「研がれた鋼がポケットにあるだけで、心が落ち着く」

彼の文章の中に、こんな印象的な一節があります。

「研がれた鋼がポケットにあるだけで、心が落ち着くことがある」

刃物をただ切れる道具としてではなく、暮らしのリズムを整える相棒として扱ってくれている——その言葉に、私たちも胸が熱くなりました。

肥後守ナイフのクローズアップ
海を越えた肥後守──暮らしのリズムを整える一本。

レシピについて

料理はとてもシンプルで、素材の味を大切にした構成です。

米と野生のラディッチオを中心に、オリーブオイル、ljutika(シャロット系の小さな玉ねぎ)、海塩、蜂蜜。炊くのはブイヨンではなく——香味野菜の風味がラディッチオの味を変えてしまうのを避けるための、徹底したこだわりです。仕上げは削ったゴーダチーズを溶かし、中心にケーパーを一粒。

素材の声に耳を傾けるような、イストリアの風土が感じられる一皿でした。

野生のラディッチオのリゾット
Rižoto od divljeg radića──野生のラディッチオのリゾット。

おわりに

Damjanさん、温かい記事を本当にありがとうございました。

日本の刃物が海を越え、誰かの暮らしに馴染み、料理という表現になっていること——それは作り手にとっても、道具を届ける私たちにとっても、何より嬉しい出来事です。

Damjanさんが撮影された肥後守や料理、イストリアの風景の写真は、ぜひ元記事でご覧ください。

元記事(クロアチア語):https://istarski.hr/node/122420-odlucio-sam-kreirati-neko-jelo-s-nozem-pristiglim-iz-japana